郷土料理
「吉兆」をいただく北条鯛めし
『北条鯛めしの起源はすこぶる古い。神功皇后が朝鮮出兵の道すがら、鹿島に船を寄せ、鹿島明神に勝ち戦を祈願されたおり、風早浦の漁民たちは近海で漁獲した新鮮な鯛を献上した。皇后は吉兆として快く受け入れられ、その時さらに鯛をのせて飯を炊き差し上げたところ、大いによろこばれ、その美味を賞された。これが北条鯛めしの起源であると言い伝えられており、早くからこの地方の名物として知られている。』(出典元:太田屋)
北条鯛めしは、鯛一匹を丸ごとご飯と一緒に炊き込む北条の郷土料理です。ごぼうや人参などの野菜や揚げなどが入っておらず、鯛とだしコブだけで作られたシンプルなもので、北条では祝い事の時に昔から食されています。
平成二十六年に、大手旅行予約サイトが発表した「愛媛県に旅した人が選ぶご当地グルメ・旅めしランキング」では、この鯛めしが一位に選ばれ、愛媛を代表する一品となりました。
「わざにでも食べにおいでや、北条鯛めし」
※「わざに」とは、風早地方の方言で、「わざわざ、労を惜しんでも」の意味。
伝統芸能
北条地域には市の無形文化財に指定されている「伊予万歳」を始め、各校区で獅子舞が演じられています。晴れの日に演じられることが多く、なかなか見ることができませんが、一見の価値があります。
五穀豊穣と天下泰平への祈りをこめた「予祝芸能」
伊予万歳の歴史は古く、約三八〇年前の寛永年間、松平定行公が伊勢の桑名から松山城に移封され、『年中行事覚書』に知多の尾張万歳太夫を招き、年の初めを祝い、藩士を慰安したのが伊予万歳の始まりです。この万歳は、三味線、締太鼓、拍子木を各々が受け持ち、歌も唄います。舞台では前付役才蔵が舞い、踊りの後に後付役の才蔵が舞納めを舞い、この三つの踊りで構成されています。
この古い形の万歳を残している別府双葉会は、大正二年に結成されました。戦時中は中断されていましたが、昭和二十五年に復活、青年達の手で伝承し、農村の娯楽芸能として縁日や宴席の余興、また目出度い席の祝福芸として盛んに行われるようになり、昭和四十五年には市の無形文化財に指定されました。その後も全国古典万歳大会をはじめ、海外では中国上海や、ハワイの記念行事、また長野オリンピック文化芸術祭等数多くの行事や祭典に参加し、平成十六年には皇居で天皇陛下の古希奉祝行事の天覧に浴しました。
「獅子舞」~無くてはならない祭りの名脇役~
風早地方には現在獅子舞保存会が8団体あり、秋祭りを中心に活発に活動しています。
特産品
北条地域には昔から愛されている特産品が数多くあります。北条地域にお寄りの際はぜひお買い求めください。
地酒で乾杯 名水のあるところ、銘酒あり!
創業者と親交のあった当時の宰相・犬養毅氏に勧められ、現商標に改名した歴史を持つ「雪雀酒造」。厳選した原材料と中硬水の仕込み水、そして「現代の名工」にも選ばれた前杜氏が確立した技を受け継ぎ、「雪雀」をはじめ数々の銘酒を醸し続けてきました。麹造りなど伝統手法にこだわる一方で、日本酒の新たな楽しみ方の提案や海外販売にも積極的に取り組んでいます。平成27年に昨年創業100周年を迎え、旨い酒造りと日本酒普及への情熱は衰えることがありません。
雪雀酒造株式会社
住所:愛媛県松山市柳原123 TEL:089-992-0025
「桜うづまき酒造」は、國津比古命神社宮司を起源に持つ先祖が明治4年に始めた蔵元。現社名は、所有する山林が桜の名所だったことと、3代目の愛読小説「渦巻(うずまき)」が由来です。高縄山の伏流水と愛媛産米を原料に、“地元食材の味を引き出す酒造り”にこだわってきました。また、焼酎の製造にも力を入れており、最近では愛媛特産の裸麦を使った商品を発表しています。あくなき探究心と郷土愛で、老舗の歴史を紡ぎ続けています。
桜うづまき酒造
住所:愛媛県松山市八反地甲71 TEL:089-992-1011
140年以上続く、わずか22gの小さな一口まんじゅう
慶応3年の創業から140年あまり。一子相伝の製法で、1個22gの一口まんじゅうは今でもこだわりを持って作られています。透き通る皮に包まれた、上質な小豆から作られたおまんじゅうは、食通として知られた吉田茂元首相にもこよなく愛され、国葬の日にも霊前に供えられたほど。絶妙なのど越しと上品な甘さでお茶うけをはじめ贈答用としても国内外の多くのファンに愛されています。
山田屋まんじゅう
住所:愛媛県松山市正岡神田甲251
TEL:089-911-7118 FAX:089-911-7718